大阪について考えさせられたこと   (1995.1)

 大阪について考えさせられました。以前、札幌に行った時のことです。高速道路の降り口が渋滞していて、約束の時間に間に合いそうもなく、運転していた札幌の人に、「大阪なら右の車線から前に割り込みますよ」と言ったら、「札幌でそんな運転をしたら回りの車がクラクションを鳴らし、絶対に割り込ませてくれませんよ」という返事が返ってきました。何と札幌とはきびしい所だなアと感じました。東京でも割り込み運転をしたら、停車した時、必ず注意されます。電車も大阪のつもりで無秩序に乗ろうとしたら、「並ばないとダメだよ」と注意する人がいます。
 そこで改めて大阪について考えてみると、道路や電車の割り込みにしても、札幌や東京のように絶対にさせないということもなく、大阪では「しゃないなァ」という感じで許してくれます。大阪はエゲツない運転、エゲツない乗り方ではなく、それを許してくれる人がたくさんいるから、逆にエゲツない人が改まらない。札幌や東京のようによそ者の集まった町ではない大阪人独特の「仲間意識」からくる「やさしさ」の多い町、逆の面からみると、少しぐらいなら許されるといった「甘え」の多い町が大阪なのかなァと感じました。