竹内久美子さん

「小さな悪魔の背中の窪み」(新潮文庫)
血液型による性格論は根拠がないという通説だが、これは誤りという。病気に対して強い血液型、弱い血液型というのは厳然とあるようだ。又、人間は微細生物と共生している存在であるため、その行動も恋も体内微生物の影響をうけているというのは驚きだ。

O型は概して病気に強いがA型は弱いという。これが顕著に顕れるのが梅毒とガンだという。他にもリウマチ性疾患、悪性貧血、糖尿病、心筋梗塞、狭心症、胆石症、好酸球増加症がそう。逆にO型が罹病しやすく、A型が罹病しにくいのが胃潰瘍と十二指腸潰瘍。こうしたO型の病気抵抗力の強さ、特に梅毒に対する強さが、社交的なO型の気質、その逆の慎重なA型の原因となることは十分考えられる。しかし、ABO型だけで分類することは他の血液型分類による差と相反する結果も出るのでちゅ言いが必要。RBキャッテルはABO型、MNS式、RH式、P式、ケル式、ダフィー式、コルトン式の分類全てで性格との相関を調べ有為な結果が出ている。特にP式が顕著だという。

「パラサイト日本人論」(文藝春秋社)
日本人のルーツに関する話しを中心に、人類の遺伝的進化および社会的進化について書かれた本。パラサイト(寄生虫)に対する抵抗力とスタイルの良さとの関連、ALTウィルスと日本人の気質との関連などは興味深く思えます。さまざまな統計データも掲載されています。

「3人目の子にご用心!」(文藝春秋)
これもまた動物界の繁殖戦略(人間を含めた)について考察した本です。いつものことながら、ちょっとその議論は飛躍し過ぎでは・・・・と思いつつも、最後まで楽しく(あっという間に)読んでしまいました。動物たちの行動の実例、データがたくさん紹介されているのも楽しいです。

「男と女の進化論」(新潮文庫)
「BC!な話」よりずいぶん前に出版された本だったようですが、私が読んだのはこちらが新しいです。通して、議論にかなり無理があるなあ(遺伝子の淘汰を論じるには人間社会の変化は速すぎる)と思うのですが、彼女の提唱するさまざまな説は「ホントにこうだったら面白いな」と思わせるユニークなものが多いです。

「BC! な話」(新潮社)
男女の性の営みについて、動物学的に考察した本。やっぱり話半分で読んだ方が良いとは思いながら、面白く書かれているものだからついつい読みはまってしまいました。

「そんなバカな!」(文藝春秋社)
動物のさまざまな生態、さらに人間社会の複雑な行動を、利己的遺伝子論を紹介しながら説明を加えてあります。非常に面白く書かれた本ではありますが、どうしても、ちょっとそれは行き過ぎ・・・と思わざるを得ないところがあるので話し半分くらいのつもりで読んで丁度良いかもしれない、と感じました。といいながら読み物としてはなかなか面白く、この本は私が竹内ワールドにはまってしまうきっかけとなりました。